昨日,2014年7月17日の面会で二人の兄弟から聞いたところによると,牛久入管収容所に1年弱の期間収容されていた兄弟が,7月11日に病死しました.またしても施設側の被収容者に対する保護義務違反の事例です.
亡くなったのはまだ20歳台の若い男性です.彼は,昨年11月ころから胸部痛と頭痛を訴えて,診療を求めていました.収容所の医師は異常無しと診断しました.
しかし,症状は悪化し続け,今年5月にやっと外部の医療機関への受診が実現しました.診断は,肺癌とその脳転移でした.
法務省は,すぐさま彼に正式な滞在許可を与え,彼は牛久入管収容所の被収容者ではない,という体裁を整えました.6月には,医療機関も,収容所近くの病院から都内の病院へ変更されました.
彼は7月11日に死去しました.法務省に言わせれば,「合法的に日本に滞在している或る外国人が不幸にして都内の病院で病死した」だけのことで,牛久入管収容所とは何の関係もない出来事だ,というわけです.何という欺瞞でしょう!
悪性腫瘍ですから完治は難しかったかもしれませんが,早期の診断治療が為されていれば延命できたでしょう.彼の家族は日本に住んでいます.死ぬまでの時間を家族と共に過ごす機会を,法務省は彼から奪ったのです.
このケースは,牛久入管収容所の被収容者に対する保護義務違反の新たな事例として記録されるべきです.
牛久入管収容所の兄弟姉妹たちが適切な医療を受けられますように.より人間的な暮らしをすることができますように.
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